探索 入道岳 1

明神林道〜三等三角点「大野」



はじめに、入道岳はいったい何処にあるのかということですが、箱根、明神ヶ岳の北北西2.5kmの標高825.1mの頂を指します。
南足柄市である明神ヶ岳の北面は放射状に幾筋もの尾根が広がり、山深いのが特徴です。
これらの尾根は最終的に明神ヶ岳山頂へ合流し、途中に目立ったピークがないため、特に山名を持ちません。
そんな中、狩川と柄沢の支流である暗闇沢(くらみさわ)に挟まれた尾根にはいくつかの小ピークが存在し、そのひとつが入道岳です。

入道岳はこのあたりの地名を調査したときに見つけたもので、三角点名にも使用されています。「岳」と付くと険しさが連想されますが、付近には矢倉岳や腕ヶ岳(かいなかだけ)など、優しい山容にも関わらず、岳を付した山名が残っています。

 

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01 取り付きの目印

この付近を登る人はほとんどいないため、コースの資料がありません。
何処を取り付きと定めるか思案したところ、送電線巡視路を利用することにしました。車で矢倉沢の関場集落を経て、目標地点付近に到着。林道には特に進入禁止等の表示はありませんでした。
送電鉄塔明神線が目印として使えます。


02 巡視路

慣れてくると判りますが、「緑を大切に」と書かれた黄色のプレートが巡視路の取り付きです。


03 ハロ

登りはじめて間もなく、不思議な光景を目にしました。太陽に暈が出てます。しかし、通常の日暈とは様子が異なり、森の中にまで光彩が入っています。
日暈は第一、第二の虹(ハロ)が太陽から22°、46°と離れた位置に出るのですが、今回は連続し、しかも第三まで見えます。


04 ハロの原因

ほどなくして、ハロの原因が判明しました。大量に飛散する杉花粉です。日暈は氷の結晶がプリズムのような働きをし、見えるといわれることから、杉花粉でも同じように光が回折するようです。粒の大きさが揃っているためだと解釈しています。



05 尾根の背を目指して

巡視路はほどなく不明瞭になったため、ルートファインディングを。


06 送電鉄塔明神線No.32

送電鉄塔の下へ出ました。自分の位置が確認できるのと、はるか遠くからこの尾根を見たときにも場所を特定できる目印に使えます。

送電鉄塔明神線No.32へ寄り道>>


07 古い石組み

写真だと判りづらいのですが、鉄塔付近にイノシシが掘り返した穴から石組みらしきものが覗いていました。いつの時代のものだろう?


08 尾根を進む

この付近は下草もなく、歩きやすい場所でした。



09 三等三角点「大野」

 


10 三等三角点「大野」

今回の目標のひとつ、三等三角点「大野」を無事に発見。
現在は周囲を樹木で囲まれていますが、測量時には伐採されていたと考えられます。そのことを踏まえ、見晴らしのよさそうな地形はどこかと意識しながら歩くと意外と簡単に見つかります。

江戸末期に編纂された新編相模国風土記稿の矢倉沢村の項には大野山の名が読み取れます。現在でも大野という小字は残っており、この尾根の西面を指します。

 

 


10 GPSの値

 

35°18.8334 139°03.1167 566.6mが正しい値。数値は不安定で刻々と変化する様子が判るでしょうか。GPSはあくまで補助アイテムとして携帯してます。

私のこの簡易GPSでは数値しか表示されないため、地形図上にあらかじめ緯度、軽度のグリッドを分単位で記入して携行しています。

 
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